アメフト映画の中でも珍しい、オフェンスラインがフューチャーされた物語です。
今オフェンスラインをやっている選手に、ぜひ見ていただきたい!
オフェンスラインは重要なポジションであるにも関わらず、目立つのは反則やミスをした時ばかり。
アメフト映画でも、目立つのは、クォーターバックやランニングバックですよね。
正直なところ、チーム事情で、嫌々やっている選手も多いのではないでしょうか。
そんな選手でも、この映画を観れば、オフェンスラインというポジションが好きになって、誇りが持てるかもしれません。
「しあわせの隠れ場所」の基本情報
監督 :ジョン・リー・ハンコック
原作 :マイケル・ルイス
公開 :2009年 アメリカ
原題 :THE BLIND SIDE
「しあわせの隠れ場所」のあらすじ
夫と娘、息子の4人で幸せに暮らす裕福な白人家庭の夫人リー・アン。彼女はある凍てつくような真冬の夜、ひとり寂しくTシャツと短パンで歩いている巨漢の黒人少年に目を止め、声をかける。そして、マイケルと名乗るその少年を放っておけなくなり、ひとまず自宅へ彼を招き入れることに。マイケルは父親の顔も知らずに育ち、母親とは引き離され、住む場所や学校も転々とする劣悪な境遇に置かれていた。そんな彼に、はじめは憐れみだけを感じていたリー・アン。しかし、マイケルの瞳の中に輝きを見つけた彼女は後見人になると決心、自分の部屋と教育の場を与え、改めて家族の一員としてマイケルを迎え入れるのだった。
「しあわせの隠れ場所」の登場人物
リー・アン・テューイ … サンドラ・ブロック
自分が正しいと思う道を、まっすぐに突き進む力強い女性。ただ、強引に自分の考えを押し付けることはせず、相手の考えを尊重するところがリー・アンの魅力です。
マイケルに服を買うシーンでは、彼の町の店に行って、彼が欲しい服を買います。普通だったら、自分の生活圏で済ませてしまいますよね。
また、マイケルの育ってきた過去を聞いて、憐れんだりするのではなく、「今はあるわ」と前向きに切り替えるポジティブな性格で、物語全体が暗くなりません。いつも忙しそうで早歩きなのが印象的。
セレブのランチ友達との会話で「彼の人生を変えてあげているんだから凄いわ」と言われ「いいえ、彼が私をかえてるの」と言い返すセリフには、彼女の考えがを表しています。
マイケル・オアー … クィントン・アーロン
7歳で薬物中毒の母親から引き離されて、里親のもとを転々と暮らします。両親の愛情を知らずに育ったマイケルはテューイ一家に出会い、家族の温かさを知ります。
高校では、大きな体格を生かしてフットボール部に入部。攻撃的な力強さではなく、保護本能に優れたマイケルは、オフェンスラインとして全米注目の選手に。
ショーン・テューイ … ティム・マッグロウ
突っ走りがちなリー・アンを全面的にサポートする良き夫。
リー・アンが、夜道を歩くビックマイクに声を掛け、家に連れて帰ろうとするときも「あれは何かを心に決めた時の顔だ」と優しく見守ります。
感謝祭の日に、家族全員で楽しくフットボールの試合を見ながら食事するシーンは、まさに理想の家族、理想のパパ。
コリンズ・テューイ … リリー・コリンズ
周りの目が気になるお年頃だから、外ではマイケルとの距離を置いているところがあったけど、徐々に学校でも打ち解けていきます。
図書館でマイケルを見つけて移動するシーンや、正式に家族として迎える家族会議のシーン。マイケルに微笑む笑顔が素敵。
S・J・テューイ … ジェイ・ヘッド
大きなビックマイクと対照的な小さなSJ。持ち前の明るさで家族のムードメーカー。
マイケルにフットボールを教えるコーチになったり、一緒にゲームしたり、兄弟みたいに仲良しで、見てて微笑ましい。
「しあわせの隠れ場所」のみどころ
実話だから凄い。
何よりもこれ、全部実話なんですよね。映画の中では大学入学までしか描かれていませんが、その後も活躍は続きます。
大学では4年生の時にオールアメリカン入り。NFL2009年のNFLドラフトでは、1巡目全体23番目にボルチモア・レイブンズに指名されました。
そして、2012年の第47回スーパーボウルでは、ライトタックルとして先発出場。49ersを破り、スーパーボウルリングを手にします。
カッレッジの有名コーチが本人役で多数出演
マイケルの活躍を知った有名大学のコーチたちが、スカウトのためテューイ家を訪問しますが、各大学の本物のコーチが本人役で登場します。
上の写真のニック・セイバンは当時LSUのヘッドコーチでした。その後、NFLマイアミ・ドルフィンズで2年間ヘッドコーチを務めたあと、アラバマ大学と長期契約を結び、黄金時代を築きます。
その他にも、ノートルダム大学の名将ルー・ホルツ、オーバーン大学のトミー・タベルヴィル、テネシー大学のフィリップ・フルマー、ルイジアナ州立大学(LSU)のエド・オルジェロン、アーカンソー大学のヒューストン・ナットなど、豪華なメンバーが登場します。
原題 にもなった「THE BLIND SIDE」の意味
ボールを投げようとするクォーターバックの背中側のことを指して、自分では見えない=BLINDと表現。つまり「死角」のことですね。
オフェンスラインとして、ブラインドサイドを任されるのはエースの証。特に一番端に位置するタックルは、クォーターバックサックを狙うディフェンスエンドと、1対1になることが多く、チームNo.1のオフェンスラインが配置されます。
映画の冒頭で、ローレンス・テイラーの登場で、オフェンスラインの価値が高くなったというのは、こういう理由からです。
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